余市産ピノ・ノワール鑑賞会
フランスのブルゴーニュ地方で偉大なワインとなる品種。ピノ・ノワール。北イタリアでも栽培されていますが、ここ北海道でもその栽培に力を入れているブドウ農家さんがいます。エリアで分けると三笠市、歌志内市、栗沢町といった空知地方に集中していますが余市にもあります。その余市産ピノ・ノワールを使って醸造しているのが中央葡萄酒・グレイスワイン千歳ワイナリーです。
職場から車で30分、ご存知千歳空港がある千歳市のほぼ中心部にあります。存在は知っていたのですが、「千歳のワインを名乗っているのに、ブドウは余市産」というところが引っかかっていて自分で買って飲むことはありませんでした。今回ワイナリーにお邪魔し、お話を伺って、「それじゃ、試してみるか」ということで、飲んでみました。
左から
①千歳ルージュ
02と03の余市産ピノをブレンドしています。色はロゼよりは濃い薄いレンガ色。香りはちょっと焦げたような水飴、枯れ草、酸化臭です。口に含むと攻撃的な酸味が広がります。果実味は薄く甘味は後半でかすかに感じる程度。酸味が引くと苦味とえぐみが出てきます。えぐいです。タンニンは感じることができますが、ざらついていて、全体としてとても粗さを感じます。2日目は酸味が落ち着きをみせ、タンニンのざらつき感もなくなりますが、えぐみは変わりません。なかなかグラスがすすみません。残念。
値段:1200円
②RESIRA(レシラ) 2007
ピノをセニエして造られたロゼです。今回は2回目になります。色は赤が若干強いピンク色で香りは強くはないですがイチゴジャムを感じます。味も甘酸っぱいベリー系を彷彿させます。後半でかすかに苦味、タンニンも極わずかに感じられます。味わいに濃さはないのですが、美味しいロゼです。
値段:1000円(500ML)
③北ワイン ピノ・ノワール 2005
こちらは05ピノ100%のワインです。色はルージュに比べるとややオレンジが強い薄いレンガ色です。香りは抜栓直後は還元臭が強く、その後ろに枯れ草や青臭さを感じます。1時間で還元臭は弱まりました。こちらはファーストアタックでかすかに甘味を感じますが、その後やはりドカーンと強い酸味が押し寄せます。やはり後半で苦味とえぐみがあります。タンニンはこなれており、余韻で樽香をかすかに感じることが出来ます。2日目になると香りも開き、酸味とえぐみもおとなしくなったので、飲みやすくなりました。完成度はルージュより上ですが、凝縮感がやはり物足りません。
値段:1810円
実は北ワイン2006もあります。こちらは次回アップします。
イタリアワインでもあまりピノは飲まないので、多くを語れませんが、山本会というワイン会で非常に美味しいブルゴーニュのピノを飲ませてもらっているので、それと比べると(比べちゃいけませんが)全然ダメです。ワイナリーの方が「年々良くなっています」と言っていましたので、今後に期待です。
ですが、「北海道でピノはどうなんだろう?」という懐疑的な思いも正直あります。山﨑さんのピノをまだ飲んでいませんので、私の中でまだ結論は出ませんが。
今回のレシラのようなロゼが道産ピノの一つの完成形じゃないかなと思います。それとまだありませんがスパークリングにするのもいいかもしれません。
この千歳ワイナリーは余市の農家1軒としか契約していません。信頼が厚いのでしょう。しかも栽培品種はケルナーとこのピノ・ノワールのみ。お名前を忘れてしまったのですが、場所は北海道ワイン社が契約しているあのぶどう造りの匠、藤本毅さんのお隣で、藤本さんのお弟子さんともいえる方なんだそうです。藤本さんは赤はレンベルガーとツヴァイゲルトレーベに力を入れています。となると、土壌や気候の専門的なことはわかりませんが、ワインから感じる限りではやっぱり余市はツヴァイが適してるんじゃないかなぁ。
でも道産赤が全部ツヴァイになってしまったら面白くないので、やっぱりピノはピノで頑張って欲しいです。
| 固定リンク
| コメント (1)
| トラックバック (0)
最近のコメント