おたる 遅摘み紅塩谷 2005 三影ぶどう園産
満月ロゼの時に07を飲んだばかりですが、今回は05を飲みました。05は何度も口にしていますが、今回の05は小樽塩谷にあった三影ぶどう園で栽培された紅塩谷(旅路)で造られた、単一畑ものです。表ラベルは違いがありませんが、裏ラベルに三影さんの生産者証明が貼られています。これは当時ぶどう園でしか発売されておらず、私の知り合いの人が、そのファンで毎年そこで買っていたそうです。そして残念なことに、これが最後のビンテージとなりました。その方も2本しか持っていない大変貴重なこのワインを、私が紅塩谷のファンと知って、1本譲ってくれました。とても嬉しかったです。ありがとうございました。
忍路湾を眺めながら紅塩谷とともに歩んだ三影さんの開拓魂、大切に、しっかりと味わいました。
産地:北海道 小樽市塩谷
ブドウ:紅塩谷(旅路)
色:エッヂがレンガ色でやや茶色が強い朱色
香り:チェリー、イチゴキャンディー、枯れ木
味:優しい甘味です。甘口ですが、その甘味は熟成をして落ち着きをみせています。生食ブドウらしくない、サラッとした甘さです。苦味は薄く、中盤でほんのり感じる程度。酸は丸くなっており、とても綺麗。熟成感はさほどなく、むしろよりクリーンになっている印象です。まさに今がピークだと思います。この時食べた「なすの味噌チーズ焼き」にピッタリの相性でした。美味しかったです。
値段:?
感動しました。そして悲しい気持ちになりました。
昭和のはじめ、塩谷に植えられた数種類のブドウのうち、自然交配で誕生した大きな実をつけた1本の木。それが紅塩谷。その奇跡のブドウを大切に育ててきた三影さん。
結局跡継ぎがいなく、ぶどう園は廃園となったそうです。
塩谷の紅塩谷で造られたワインは今はありません。
このような土着に近いブドウで造られる美味しい甘口ロゼが消えてしまうのは、あまりにも悲しすぎます。
現行の07は余市産旅路を使って復活しました。しかし08が未だリリースされていないのは、ちょっと心配です。塩谷産でなくなっても、残してほしいワインです。
たとえもう飲めなくても、「塩谷の紅塩谷」は私の記憶には永遠に残ります。
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コメント
紅塩谷にまつわる、
素敵なストーリーを教えていただき、
ありがとうございます。
私がワインにはまるのは、
味ももちろんですが、
こうしたワイン一本一本にある
バックストーリーを知ることが出来るから
だと思っています。
これからも素敵なお話し、
教えてくださいね。
投稿: タイワイン | 2010年10月31日 (日) 20時13分
上のコメント私です^^;
失礼しました。
投稿: よし | 2010年10月31日 (日) 20時45分
よし様
ありがとうございます。
ワインに限らず、物作りにはストーリーがあって、それを知るのは楽しいですよね。ただ、やっぱりストーリーが先行するのは問題だと思っています。嗜好品である以上、まずは味ありき。その後ストーリーを知ると楽しみはグッと広がりますね。
投稿: アマ | 2010年11月 1日 (月) 21時41分